
2024年5月16-17日で開催されていましたつくばフォーラム2024のイベントに参加し、
その中で展示されていた光ファイバセンシング技術について、技術者と意見交換をしてきました。
本記事は光ファイバセンシング技術について勉強したことを個人の理解のためにまとめた記事になります。
結論まとめ
- 従来のセンシングデバイスとは異なり無給電で収集が可能
- 光ファイバーのみで様々なセンシングが可能
(センシング情報に特化したデバイスをいくつも用意する必要がない) - 実証実験ではでセンシングの正解率90%を実現
(豪雪地域の除雪要否判定が、人による現地調査結果と比較して90%の正解率)
- 光ファイバのスプリッタ分岐不可
- センシング用の試験光発生装置の切り替え
光ファイバーモニタリングは過去にもつくばフォーラムやNTTの技術ジャーナル等で取り上げられている技術になります。
本記事では、本人の備忘録、勉強のまとめが趣旨となるため、これまでの前提知識は割愛して記載します。
そもそも光ファイバーモニタリングって何?という方は過去に当方がまとめた記事を先に確認ください。
世界初、通信用光ファイバを用いた振動センシング技術による 豪雪地帯の道路除雪判断の実証実験に成功
背景・課題
豪雪地域では、過疎化の進行もあり、除雪事業を担う労働力が不足している。
全ての道路を除雪することは困難なことから、交通流の停滞影響が大きい道路を優先して除雪するなどして、除雪前にどの道路を除雪するか品定めが必要。(⇦除雪判断にも人が必要で困っている状況)
課題に対するアプローチ
人手を介さず、悪環境下でも持続可能な除雪道路の判定を目指したい。
本実証実験の概要
光ファイバ振動センシング技術を応用し、NTT東日本で既に地下に敷設してある通信用光ファイバを用い、道路上の振動特性から路面状態を推定する機械学習モデルを構築し、豪雪地帯における道路除雪判断を行う。
悪天候(豪雪、低温環境)の影響を受けず、人を介さずに除雪が必要な道路の判定を行う。
https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/11/09/pdf/231109aa.pdf
実証実験結果
青森市内の道路地下に敷設されている通信用光ファイバを利用し、3つの除雪工区内にある市道をセンシングし、実際に人が判断した除雪要否の判定結果との正解率90%を実現。
https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/11/09/pdf/231109aa.pdf
- 変化のあったファイバー座標の測定誤差(4m以内)
道路に沿って光ファイバーが敷設されている場合も、特定のスポットだけの変化を観測することが可能とのこと。
測定における留意事項
- 光ファイバのスプリッタ分岐不可
NTT局内装置〜お客様の宅までの光ファイバー(アクセス区間)では利用不可
※分岐の際分波光が反射して測定したい波長変動にノイズを与えてしまうため - センシング用の試験光発生装置の切り替え
NTT東西では膨大なファイバーが既に敷設されており、その中から測定方路へ自由に測定光を発光させる切替手段が必要。
※光発生装置を1台で使い回す場合は、測定したい場所に敷設されたファイバに繋ぎ直す必要があるため - 事前に測定したい場所のモデル化が必要
今回の場合は交通振動から車速情報と振動周波数の応答特性の統計データを集め、除雪が必要な場合と、通常時のモデルを学習しておく必要がある
商用利用に向けた課題
主に朱文字の内容については今後商用活用する上でクリアする必要が出てくる
- 光ファイバのスプリッタ分岐不可
NTT局内装置〜お客様の宅までの光ファイバー(アクセス区間)では利用不可
※分岐の際分波光が反射して測定したい波長変動にノイズを与えてしまうため - センシング用の試験光発生装置の切り替え
NTT東西では膨大なファイバーが既に敷設されており、その中から測定方路へ自由に測定光を発光させる切替手段が必要。
※光発生装置を1台で使い回す場合は、測定したい場所に敷設されたファイバに繋ぎ直す必要があるため - 事前に測定したい場所のモデル化が必要
今回の場合は交通振動から車速情報と振動周波数の応答特性の統計データを集め、除雪が必要な場合と、通常時のモデルを学習しておく必要がある
余談:その他の活用事例(案)
NTTグループの無人局や機械室の監視
・BOX空調の故障やドア施錠状態等、そもそも設備が古く監視機能がないような場所に適用できないか?
⇨光ファイバセンシングで測定可能な情報
①物理的なファイバーの揺れ、動き
②温度変化による曲げ
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